1杯のコーヒーでも面白さがどんどん増えて尽きないから
#そうるめいととは
活動を始めたきっかけはなんですか?
バリスタが教えてくれるコーヒーの楽しみ方に魅了されてコーヒー業界に入りました。そこから自分もバリスタになり、ラテアートの魅力にハマり、世界大会を含む数々のコンペティションに参加して賞をいただきました。
ラテの主体となるのがミルクということから、牛乳への最大限のリスペクトはなんだろうと考えて、自ら牧場へ研修に行き、生産者とコミュニケーションを取りながら牛乳を直接買い付けるというスタイルを作り上げました。
牛乳へのリスペクトがこだわりに繋がっている?
そうです。2015年のオープン当初からミルクにこだわることは決めていました。とはいえ、苦難の連続で、そもそもコーヒースタンドで使用する量は限られているため、なかなか卸して頂けなかったりとかしましたね。ただ、何度も通っているうちにぼくのリスペクトが伝わったようで、牧場の方が協力してくださり、徐々に普通じゃ飲めない牧場直送の牛乳を手に入れることができるようになっていきました。
普通じゃ飲めない牛乳って?
生産者の方に協力いただき、殺菌方法や牛の品種などをこちらから指定して搾乳していただくんです。ぼくたちはそれを、コーヒーの名称になぞらえて「シングルオリジン牛乳」と呼んでいます。
特に思い入れのあるシングルオリジン牛乳はありますか?
やっぱり、滝上町の井上牧場さんが作る、ガンジー牛乳ですかね。牛の種類っていろいろあるじゃないですか。ホルスタインとか、ジャージー牛乳とかは有名ですね。その品種の一つにガンジー種っていうのがあって、日本の牛の1%くらいしか居ないみたいなんですね。
たまたまその牛のミルクを飲ませてもらったときに衝撃が走りまして。すごくこうまろやかで、余り感じたことがないような旨味がくる感じ。これはもうどうしてもガンジー牛乳をコーヒーと合わせてみたいと。ただ、本当に希少で、井上さんのところでも今だと2頭くらいからしか取れなくて、かつ当時はそもそも井上さんのところでもガンジー牛乳単体としては出していなかったので断られてしまいました。
そのガンジー牛乳がラインナップに
結局のところ、ぼくのかなりしつこい交渉が良かったのか牛乳への思いが伝わって、協力してくださることになったんです。わざわざ殺菌所を作ってくださって、今では優先的に絞ってくださり殺菌して出荷してくださいます。本当に貴重な牛乳ですね。コーヒーと同じで、場所とか牛の品種とかが違うと、ミルクも全然変わる。面白いですよね。
最近では豆の焙煎にも力を入れているようですね
ここまで牛乳にこだわっているんだから、その牛乳に合う豆を自分たちで探そうということで、入手するのが難しい豆を独自のルートで調達して焙煎しています。そのために直接輸入手続きをするんですけど、これが結構大変で、欲しい豆が正しく届かなかったりとか、届いても検査にとても時間がかかったりとか、一つ一つ課題をクリアしていかなければいけなくて。でも、今そうして店頭に並んでいる豆や牛乳はどれもこだわり抜いたものなので、かなりのスペシャル感があるかなと思っています。
そこまでこだわれるのは何故ですか?
やっぱり、好きだからですかね。バリスタの仕事で一番大事なのは、来てくれた人との一対一のコミュニケーションです。その場で喜んでもらえるというのをとても大切にしています。喜んでくれるその笑顔や反応を見て、ぼくたちは更なる向上心を持つことができる。そういうループなので、なかなか終わりが無いって感じです。扱っているのは1杯のコーヒーですけど、色んな角度から物事を見る事で面白さがどんどん増えて尽きない。常に向上心を持っている理由です。
これからの竹内雄基さんについて教えて下さい
自分達で何かを成し遂げながら、いい物をいい状態で最高な笑顔を見るためにコーヒーを作る。そんなファミリーを増やしながら活動していきたいですね。
最後に熱いメッセージを
コーヒーに困ったらまず、ここを訪ねてほしい。今までの経験からその人に合ったコーヒーライフを過ごせるお手伝いが出来ます。そういう方と目標を一緒に達成しながら、また課題を見つけるのがぼくの活動の中でもとりわけ刺激的な部分です。そんな竹内雄基と、バリスタートコーヒーをこれからも是非推して下さい。
PHOTO:RYO MAEDA
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