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そうるめいと

「今」の蓄積が「未来」になるそこは外したくない

No.02 | アーティスト・イラストレーター 前田麦
札幌を拠点に世界を股にかけ活躍するアーティスト・イラストレーター、前田麦(まえだばく)さんの登場です。多様な創作を生み出す秘訣を少しだけ教えてもらいました。

#そうるめいととは

いつの時代もカルチャーの中心には皆に「推される」キーパーソンが存在する。そんな魂込めた活動をする彼ら #そうるめいとを紹介する連載企画。
Profile
アーティスト・イラストレーター
前田麦
1974年北海道生まれ。 北海学園大学経済学部卒業。 イラストレーションをベースとして、平面、立体を問わず様々なアプローチで作品を製作。 近年では、リボンを使ったアート、「Ribbonesia(リボネシア)」、スタンプコラージュ 「STAMP BY ME(スタンプ・バイ・ミー)」、紙やすりに描く「TRANSLUCENT」シリーズ、「 EYE OF FIRE」など様々なスタイルで発表している。

活動を始めたきっかけはなんですか?

とても月並みなのですが、小さい頃から絵を描くのがとても好きで、現在の活動はその延長線上という感じです。創作活動を始めたのは学生時代でしょうか。経済学部に通っていたのですが、美術サークルに所属していて、その時すでに絵で食っていこうと考えていました。

20代最初のほうにMacが普及しはじめて、デジタルが入ってきたこともあり、おかげさまで仕事はたくさんありました。大学卒業後、最初は5年くらいWEB制作の会社にいて、家に帰ってから絵を描くっていう生活をしていました。その後一本にしたという感じです。

イラストレーターとしての活動について教えて下さい

イラストは基本的にクライアントがいます。コミックタッチやアニメタッチのものが好きで、最近のおすすめだとインスタグラムでやっているアイオブファイアーシリーズですね。ちょっとアメリカンっぽいポップなキャラクター。海外でも評判がいいんです。真似をして二次創作をしてくれる人たちがいたり。そういうのを見るとほっこりしますね。

アーティストとしても活動されていますね

アートは自分のやりたいことをやっています。最近は自然現象や自然科学の手法を使うことが多いですね。太陽の光を使って乾燥させたりとか、影を利用したりとかです。例えば今取り組んでいるトランスルーセントシリーズは、水ヤスリのうえにジェッソを流して、日光で自然乾燥させると浮き上がるシルエットで描画するという、淡いタッチの作品です。おかげさまで国内外のギャラリストの方からお招きを受けて展示させていただいています。

前田さんといえばリボネシアシリーズも外せません

ありがとうございます。リボネシアシリーズは、リボンを使ってなにかできないかという発想からスタートしました。今も一緒にやってるディレクターの提案で、最初から東京を飛び越して海外に向けて発信していこうとなって、実際に様々なお引き合いを頂いています。札幌パルコとも2013年にご一緒させていただきました。

活動を支えるキーアイテムはありますか?

シンプルに紙とペンです。アイデアが閃くのはだいたい普通の生活をしている時です。それで、常に身の回りにノートやメモ、スケッチブックを置いておき、思いついたらすぐ描けるようにしています。以前はこのメーカーのペンが…といったようにこだわりがあったのですが、今はiPadのようなデジタル機器で制作することが多いので、ペンへのこだわりはなくなりました。

紙に描かれた絵とか図画、言葉は再び目を通すことで自分自身に影響を与え、干渉してきます。だから平面でも立体でも、だいたいこの紙とペンの2つから始めています。そこから無数の脳内シミュレーション、スケッチでの試行を経て、実際に作品として発表できるものはごく僅かです。

これからの前田麦さんについて教えて下さい

これから目指しているのは、健康を維持しつつ創作を続けられればということですかね。ただ、こうすれば良かったという後悔はしたくないんです。だから常に思いついたものはすぐに取り掛かるようにしています。幸いなことに歳を経ても「これを作りたい、描きたい、計画したい」という欲求が湧き出ています。「今」の蓄積が「未来」になるので、そこは外したくないですね。

最後に熱いメッセージを

やっぱり、自分が作ったものを好きだと言ってくれたり反応してくれるのは創作活動をする上でとても励みになります。あまりにも反応がないとダメだったのかな?って思っちゃう。だから、ぜひSNSとかでコメントとか良いねとか、沢山ください。できれば作品も買ってください(笑)よろしくお願いいたします。

PHOTO:HANAJIMA HITOMI

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